転勤したら持ち家(マンション)はどうする?
マンションを購入し、リノベーションしたとしても、仮に「転勤」なんてことになったらあなたはどうしますか? たいていの人の選択肢は
- 売る
- 貸す
- とりあえずそのままにしておく
の3つだと思います。
最後の「そのままにしておく」は全くメリットがないのでやめましょう。管理費、修繕積み立て金、住宅ローン。加えて固定資産税。全ての支払いは毎月いつも通りやってきます。
「転勤したら貸せばいいよね。それで住宅ローンの支払いに充てれば良いんだから」と思っている人は、少し考えが甘いです。
自身のマンションを貸すことのリスクを考えたことはありますか? 特に「転勤から戻ってきたらまた住みたい」と思っている人は注意が必要。
今回は、マンションを貸す際に考えなければいけないリスクについてお伝えします。
1.「帰ってきたらまた住む」は通用しない
「転勤は2~3年。その間は賃貸で貸して、戻ってきたら自分たちが住もう」
こういう考えを持っている方は要注意です。賃貸契約はいつでもやめることができないからです。
「じゃあ、契約更新のときにやめればいいんじゃないか」と考えがちですが、賃貸契約では法律上、借主のほうが、貸主より立場が上になります。契約更新時に借り主が「まだ住みたい」と言ってきた場合、出てくれと言っても通らないということがしばしば。「出たくない」vs「出てくれ」の勝負になったときには、マンションの持ち主よりも、賃貸で入居している人の方が立場が強くなるんです。
こうならないために「定期借家契約」というものがあります。契約前に一定期間で契約が終了する旨を通知するものです。「じゃあ、その〝定期借家契約〟で貸せばいいじゃん」と思いがちですが、
- 貸し出す家賃が相場よりも下がる
- 借り手が見つかりにくい
というデメリットもあります。
あなたが賃貸物件を探していて、「持ち主が2年で転勤から帰ってくるので、何が何でも2年で引っ越ししなければいけない物件です」と言われたら、なかなか決断しにくい物件だと思います。しかも自身の都合も変わります。
- 「転勤が2年と言われていたのに、5年になった」
- 「1年未満で、帰ってこいと言われた」
転勤の期間が延びた場合にはまた借り手を探したり、短くなってしまった場合には、契約満了まで自身が賃貸物件に住まなくてはいけなくなります。
2.設備の修理は貸し主負担
もろもろの条件をクリアして、マンションを貸し出したとします。ストーブや、ボイラー、キッチンやお風呂に不備が出た場合、借主が故意に壊した場合を除き、すべて貸している側の負担になります。
「自身が住んでいない時に、壊れた」というだけでも気分が悪いのに修理代は貸している側の負担。あらかじめそれを受け入れる覚悟が必要です。
3.人が住んでいた家に住むことを我慢できるか
せっかくリノベーションをして、自分仕様の気に入ったおうちになったとして、人に数年貸したものを、あなたはまた受け入れることができるでしょうか。どんな人が住むか分かりません。持ち家と賃貸では、その人の「家を綺麗に使おう」というモチベーションも全然違います。
- 壁に穴を空けられる
- 床に家具の傷がつく
- 部屋の中でたばこを吸われる
- 水回りの使い方が汚い
などなど、また住もうというときには、ハウスクリーニングだけでなく、リフォームまで必要になることもあります。いずれも費用のかかること。
「こんな状態ならもう住みたくない」
「転勤が決まったときに、部屋がきれいなまま売っておけば…」
こんな後悔をする可能性もありますよね。
4.貸主は管理組合の組合員でもある
マンションを貸したからと言って、あなたがそのマンションについて全く関係なくなった訳ではありません。毎月の管理費や修繕積み立て金の請求は借りた側でなく、マンションの持ち主である貸主に請求が来ます。「今は貸していて、住んでいないので」という理由で管理組合から抜けるということはできません。
まとめ
以上が、マンションを貸す時に考えなければいけない4大リスクです。
マンションを購入する前に、もし手放すときにはどうするのか。よく考えて決断する必要があります。
僕はリノベーションを行う際に、将来手放すことも考慮して買うマンションを選びました。
そのときに考えたのは2つ。
- 既に値段が下がりきっていて、売却時に値下がりしずらい中古マンションを狙う
- リノベーション費用は「10年分の家賃」と割り切る
1に関してはこちらの記事を参考にしてください。
▶︎リノベーションの築年数は「24年」が最もおすすめな3つの理由
2はこちらの記事で、僕の考えを書いています。
▶︎「住宅は一生に一度の買い物」なんて考えてるから踏み出せない
このブログではリノベーションのいろはをまとめています。